2012年01月18日

ゲームのちからで世界が変わりつつある件。 – Gamefulな問題解決に向けて(1)

Gamefulな問題解決を。

いま、世界は変わりつつある

つい3〜4ヶ月ぐらい前、Folditというゲームとその成果が話題になりました。

長年、科学者たちはとある問題に悩まされていました。
それは、生物学の最大の謎の一つであった「フォールディング」に関することでした。
人体には10万種類以上のタンパク質があり、それが様々な形で折りたたまれる(フォールディング)ことで特定の機能を果たすようになります。
しかし、タンパク質が何らかの原因で「正しく折りたたまれなくなる」ことがあります。これが、アルツハイマー病や、HIVなどの原因となっていました。

なので、研究者たちはタンパク質の折りたたまれ方について研究する必要がありました。
しかも、あまりの複雑さによりタンパク質の折りたたまれ方を計算することは、コンピュータですら難しく、人間の創造力や直感力によるアプローチが必要とされていました。

そこで登場したのが「Foldit」というゲームでした。
ビジュアル的に見たほうがいいなーと思って動画を探していたらニコニコ動画に丁度良い解説動画がUPされていました。


Folditは、ワシントン大学の研究者が開発したアルゴリズムをベースに、一般の人達が「フォールディング」をシミュレーションすることができる「ゲーム」でした。
このゲームは、プレイヤーは折りたたまれていないタンパク質を正しい形に折りたたむことによって、「どのような折りたたまれ方であれば最も安定した形をとって、様々な機能を果たすことができるようになるのかを見つける」のが目的でした。
プレイヤーの手によってフォールディングされると、その折りたたまれ方についてエネルギー計算がなされ、エネルギーが安定な構造を作った人ほど高いランキングがもらえる仕組みになっています。

このゲームに何万人もの人々が自発的に参加しました。
そしてついに結果が出てき始めたのです。

ゲーム愛好者らが酵素の構造を解析、米研究

難問のタンパク質構造をゲーマーが解析

彼らの成果はNature誌にも取り上げられ、正式な共著者としてFolditのプレイヤーが取り上げられました。

人間の直感力・創意工夫の能力は、解決すべき問題がクリエイティブであるほど、コンピュータに打ち勝つことができる、と科学者たちは結論づけました。

良いゲームは、一つの芸術作品を楽しむのと同じように豊かな経験を与えてくれます。
Folditを、従来のゲームと分けて考える必要はありません。
もしそれが、パズルゲームとして面白ければやればいいし、面白くなければやらなくても良いと思っています。

Folditのゲームとしての完成度がどれほどであったかはさておき、Folditは数万人の参加登録者を引き寄せ、一定の成果を残しました。
ユーザーが本当に楽しんでゲームをしながら、しかもそれが社会の壮大な問題解決に役立つとしたら、それが究極系の「”Gameful”な問題解決」だと思うわけです。

少し長くなってしまったので、次回「”Gameful”な問題解決とは何なのか?」についてもう少し掘り下げて考えてみます。

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